YUKI KONOMATSU

反響営業から制作ディレクションまでを一貫して担当。

簡単にAD(アカウントディレクター)って何をする仕事か教えていただけますか。

此松

ADやAP(アカウントプロデューサー)は、営業から企画提案、制作ディレクションまで一貫して担当します。制作の目的を伺って、お客様の会社の特徴や強みを深堀りし、どういうコンテンツ、ツールに落とし込むのがベストかを提案し、ゴールまで持っていく仕事です。

幅広いですね。いわゆる営業職としてはどんな活動をされているんですか?

此松

オウンドメディアからのお問合せをベースにしているので、飛び込みやテレアポなど、雲をつかむような営業をすることはありません。クライアントは中小企業から上場企業まで様々です。
全国から多くのお問合せをいただきますが、ご要望と弊社が提供しているものとのアンマッチだけは避けるべきなので、営業としては、お客様と制作に対する考え方を慎重に擦り合わせてコンセンサスを得るようにしています。

なるほど、反響営業なんですね。

此松

そうですね。お問合せをいただいたら、まずはお電話で現状と経緯をお伺いします。なぜ作ることになったのかとか、何をしたいと思っていらっしゃるのか、ですね。経営者様や他の社員様にもご協力いただかないと進行できないケースもあるので、それが可能かどうかも必ずお聞きしています。
私はモノを売らないようにしているんです。「パンフレット」や「綺麗なデザイン」を売るのではなくて、営業や採用などの目的や競合、強みなどを詳細に伺って、最適だと思う企画をご提案します。

お客様にも、制作チームにも、
同じ方向を向いていてほしい。

モノを売らないのにご契約いただけるのは何故でしょうか?

此松

担当によって特性はありますが、ひとつは「期待感」じゃないかと思っています。自分たちのために頑張ってくれそうだとか、目的を実現できそうだという期待。それには、企画段階から会社や目的が深く理解されていると納得していただかないと意味がない。ですから私の場合は、提案までに2回3回とお話を聞いて、企画の方向性をいくつもご提示することが多いです。場合によってはそこに費用をいただくこともあります。惜しみなくアイデアを出すことで私の中でも理解が深まりますし、お客様社内でも整理できる部分があると思うんです。

すごい熱量ですね。制作が決まったらディレクションまでされるんですよね。

此松

そうですね。コンセプトがブレないよう調整しながら、表現や工程・予算をマネジメントします。お客様と合意した内容・方針はもちろんですが、個人的にはお客様の温度感もとても大事だと思っているので、デザイナーやライターにはかなり細かい情報まで伝えています。チーム全員に同じ方向を向いてほしいと思っているんです。

営業アシスタントとしての経験が、今すごく役に立っています。

ADの幅広い業務をこなせるようになるまで、どんな風に経験を積んでこられたんですか?

此松

私は異業種から転職して、最初の受注まで1年半くらいかかっているんです。営業同行しながら現場を学ぶケースもありますが、私の場合はまず、営業アシスタントとして色々なプロデューサーの進行管理をお手伝いしながら全体の流れを学びました。仕事がどう進んでいくか、何を注意して見なければいけないのか、当時根本的なところを教えていただけたことが今とても役に立っています。
並行して、自分でも業界知識を勉強するようにしていました。企業ってどう成り立っているのか、問合せをいただいた会社の業界がどうなっているか。社内で、作った制作物がなぜこういう表現になったかを聞いたり、企画書を見せていただいたりもしていました。
また、私の姿勢を肯定してくださって、拙いヒアリングからイメージを拡げてくださる先輩の存在も大きかったです。
今仕事ができているのは、そういう積み重ねの中で徐々に引き出しが増え、自信を持って話せるようになったからだと思います。

最初に受注された時の気持ちを覚えていらっしゃいますか?

此松

もちろん!純粋に嬉しかったです。初めて単独で受注したのは株式会社ニチイ学館様だったんですが、訪問したのが私の誕生日だったんですよ。自分の得意分野の知見を買っていただいたプロジェクトでもあったし、担当の方からも期待していただいて、応えなきゃ!って燃えた記憶があります。

お客様からの期待が仕事を続けるエネルギーになっています。

此松さんは育児休暇をとって復職されたと聞いています。

此松

そうです。ずっと仕事をしていたいっていうのは、AEMに入社する前から考えていたことでした。腰を据えて学んで、自分にしかできないことをやっていきたかった。忙しい仕事ではあるのでタイミングは考えましたが、社長も社員のみなさんもとても寛大で、「ゆっくり子育てに専念して」って、娘が1歳を超えて保育園に入るまで復職を待っていただけました。子育てと仕事の両立は楽ではありませんけれど、現在は週2日はリモート出勤なので、かなり助かっています。

それだけ仕事に魅力があったということでしょうか?

此松

そうですね。何よりお客様が待っていてくださったのが大きいです。産休に入る前にも「まだまだ一緒にやりたいことがあるよ」っていう言葉をいただいていましたし、私としてもまだまだ提案したいなって思っていたので。

まだ一緒にやりたいことがあるというのは、例えば?

此松

制作したのが採用パンフレットでも、そもそもお客様が求めてることはツールを作ることじゃなく「人材を獲得すること」ですよね。お客様の目的達成に誠実でありたいから、最初の提案から周辺ツールまでを広く見渡すようにしているんです。一度には叶わなくても、2年後に採用サイトや配布ツールに手が届くかもしれないですよね。そういう意味で、お客様と一緒にできること・やりたいことが沢山ありました。

今後の仕事にどんなビジョンを描いていらっしゃいますか?

此松

既存のお客様とも新規のお客様ともお仕事させていただいて感覚を鈍らせないようにしながら、仕事で学んだことをお客様に還元したいと思っています。
半面、出産前と同じ量をこなすのが難しいので、メンバーを信頼して任せることを覚えなくてはいけないなと思います。どんな方法がとれるかはまだ模索中です。大前提として、今後もバリバリ仕事を続けていたいですね(笑)

ありがとうございました。